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このプログラムは当初3年間の計画であったが、各方面から評価を受け、一時は中断されたものの、1992年から3年間、所管を自治省にうつし、自治体国際化協会をつうじて各都道府県および政令都市から代表学生を選考し、YFU財団が委託を受けるかたちで、奨学生のお世話をしている。
?A行政とのかかわり
上記のようにYFU財団は外務省及び文部省の共管となっている。まず金銭的支援については、助成金を国際交流基金から受けていることがあげられる。この助成金はプロジェクトベースあるいはイベントベースで計算され支給されており、事務局連営等にかかるコストは含まれておらず、その運営等に対する支援金、補助金等は含まれないのが現状である。また、行政側はプロジェクトベースでコスト計算し、予算請求ののち、助成金を支給しているが、プロジェクトでは当該年度より以前の時点から準備等でコストが発生しており、立て替え払いというかたちで、多額のコスト負担を余儀なくされている。あるいは、複数年におよぶプロジェクトおよびイベントの企画・運営もあるため、行政機関の年度別予算では対応できないケースも発生している。
次に物的支援、情報的支援については、特に行政から支援は受けていない。YFU財団自身が長期間にわたって構築したボランティアネットワークを基盤とする人的交流の中で、情報交換がなされている。したがって、既存のネットワークを強化するためのスタッフ交流的ワークショップを定期的に開催し、自らの組織強化を図っている。
行政からの委託事業が比較的多いYFU財団では、連携上の問題点の1つは行政側の担当者の短期交代であるという。国際交流プロジェクトは複数年にわたることが多く、行政、団体スタッフ、そして全国のボランティアスタッフと相互に協力、連携しあいながら推し進めていくことが十分な成果を上げるために重要である。しかし、行政側の担当者が短期で交代するため、後任者にたいする経過説明等で時間や人手を要し、円滑な連携がすすめられない。また、米国政府からの委託事業を、外務省を通じ、引き受けているので、日米の行政機関と連携してプロジェクトを運営している場合がある。そのため、両国の予算執行過程等の相違に悩まされることもある。
?B地域社会・コミュニティとのかかわり
YFU財団における地域社会・コミュニティとのかかわり方は2つに分けられる。1つは交換留学生が直接的に地域社会での日常生活、あるいは地域の諸活動に参加すること等によって交流することである。この直接的なかかわりで重要な役割をするのが学校である。学

 

 

 

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